MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2022-07-13 to 1 day

「あの人たちが本を焼いた日」

ジーン=リース著ドミニカ国作家14短編集「サルガッソーの広い海」で有名なカリブのポストコロニアリズム的叛逆者主に西欧列強に蝕まれたドミニカ社会を描く牢獄での差別・言論統制・貧困社会の現実…女性×植民地×マイノリティ×比較文化をコンパクトにまとめ…

「雨天炎天」

村上春樹著著者のギリシア・トルコ旅行記ーギリシアーアトス山女人禁制の徹底的な東方正教会聖地文明の利器を全て捨て聖域に触れた不便さと非日常的体験ートルコー全土をのんびり周遊美味しいチャイとパン軍隊と国境と孤独な地理的特性のリアル黒海沿岸の美…

「ナポリの肖像」

“ナポリを見て死ね”で有名な$100万の夜景南イタリア&シチリアのナポリ公国通史ギリシア→カルダゴ→ローマ→ノルマン→アラブ→ビザンツ→独→仏→西→墺→伊血と知を伴いながらの多文化共存の生存戦略古代ローマ〜両シチリア王国〜ナポリ公国〜ランペドゥーサ「山猫」…

「ジャガーの微笑」

サルマン=ラシュディ著インド作家“詩人と自然の国”ニカラグア旅行ルポ記サンディニスタ民族解放戦線vsソモサ政権(崩壊)→CIA+アメリカ+反政府軍ニカラグア内戦(コントラ戦争)を独自分析当時のリョサ批判や詩の引用など敏感かつ冷静な筆致ながら音楽的で小説…