MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2022-06-25 to 1 day

「モディアノ中毒」

“モディアノ中毒”を引き起こす“現代のプルースト”ユダヤ系フランス作家(親戚に画家モディリアーニ)ノーベル賞受賞理由:”占領下生活の記憶の芸術”感情や心理を排した最小限の絵画的文体類似テーマと自伝の再使用パリと喪失と青春と若者謎が想像を膨らませるミ…

「呼び出し」

ヘルタ=ミュラー著ノーベル賞ドイツ亡命ルーマニア作家共産党独裁チャウシェスク政権期ルーマニア市民を描く“呼び出し”を受けて路面電車乗車中に密告の狂気と恐怖に怯え”ヒト”が”モノ”に見えてくる主人公通り過ぎる数多の不自然な通行人も異常が日常と化し…

トマス=ピンチョン全9作品(13冊)読破記念総書評

もはや読了自体が自慢の“蘊蓄と博学の総力戦”ポップ文化・伝統・ヒッピー最先端応用科学・IT・軍事・発明戦争・革命・陰謀論・麻薬霊能・冒険・ギャグ植民地化前後の世界各国地理歴史あらゆる分野の学問を1冊にまとめ脱線と統合を愉しめる物語群 以下は個人…

「ブリーディング・エッジ」

トマス=ピンチョン著アメリカ作家ドットコムバブル期NY大富豪の巨額な中東マネーの行方を追うママドル不正監査士ヒロイン暗躍するテロリスト9.11テロの前触れ…?金融界とサイバー・IT業界の癒着独占資本の醜い拝金主義個人情報管理社会現代社会を直接間接で…

「逆光」総書評

トマス=ピンチョン著 アメリカ作家計1700P「重力の虹」以上の大作無政府主義者たちの”逆行”新時代応用科学技術の”逆光”空想科学冒険少年スパイ探偵SM陰謀ミステリ歴史幻想美少女数学ギャグ労働史恋愛ポルノ革命テロ家族小説(何でもアリ笑)各国各人物が収束…

「楽園への道」

マリオ=バルガス=リョサ著 ノーベル賞ペルー作家祖母の女性&労組解放運動家トリスタン孫の脱西洋画を目指す画家ゴーギャン時代場所職は違えど生き様が同じ2人を2章立てで交互に生〜死まで描くマルクスやゴッホも登場実話に基づくが小説は事実より奇なりさ…