MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2022-04-21 to 1 day

「凍」

トーマス=ベルンハルト著オーストリア作家寒村に住む狂気の老画家に張り付き健診した若い医師による27日間の散文型の手記少しずつ小説世界が凍傷に蝕まれ薄ら寒さを感じるベケット・カフカ的不条理世界95%=画家の悪口5%=医師の応答事件もなく淡々と進む日常…

「ヒナギクのお茶の場合/海に落とした名前」

多和田葉子著ドイツ・日本作家9短編集言葉・日常の表裏を鋭く突く“ヒナギクのお茶の場合”“枕木”“雲を拾う女”“あやめびと/むかしびと/わたりびと/ほかひびと”“所有者のパスワード”“海に落とした名前”“時差”“U.S.+S.R. 極東欧のサウナ”“土木計画”

「自由の樹のオオコウモリ」

アルバート=ウェント著サモア独立国作家9短編集西サモア(東側はアメリカ領サモア)の自然・文化を凝縮した作品群“自由の樹のオオコウモリ”“山の末裔”“墨の十字架”“フル大佐”“サラブレッドに乗った小悪魔”“復活”“ホワイトマンの到来”“独立宣言”“バージンワイ…

「アレクサンドレ・カズベギ作品選」

アレクサンドレ=カズベギ著グルジア作家4短編集“ぼくが羊飼いだった頃の話”グルジア牧農社会を描く“ツィコ”伝統社会で駆け落ちした男女の末路“ニノ”コーカサス山脈の自然に生きる家族“長老ゴチャ”長老と息子の村の掟を巡る”オイディプス王”的な部族紛争

「ケンジントン公園」

ロドリゴ=フレサン著アルゼンチン作家「ピーター・パン」作者J•M•バリー秘話×著者の生きた1960年代ロンドン=永遠の子供が棲む”ケンジントン公園”フック船長とイギリス文壇バリー兄弟とウェンディ虚実×現実の奇作交錯する2話を時間自転車が紡ぐ”約束のネバー…