MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2021-09-05 to 1 day

「予告された殺人の記録/十二の遍歴の物語」

ガブリエル=ガルシア=マルケス著ノーベル賞コロンビア作家読書会のため再読“予告された殺人の記録”感想は前回Tweet通り純文学でありホラーでありリアリズムでありサスペンスでありルポルタージュであり魔術的リアリズムでもある完璧すぎる構造 他12短編“電…

「中先代の乱」

鎌倉幕府滅亡北条氏没落建武新政開始(後醍醐天皇)室町幕府始動(足利尊氏)北条氏は執権の座を追われ”中先代の乱”を起こす少年ジャンプ連載中「逃げ上手の若君」の時代主人公は唯一の生き残り齢10歳の北条時行と諏訪頼重信濃挙兵→鎌倉陥落→南北朝時代逃亡と闘…

「ひつじのドリー」

ダーチャ=マライーニ著イタリア作家10短編集失敗続きのお伽噺ファンタジーの自在な語り“ひつじドリー”“エナメルのくつ”“出身は王家のキッチン”“カナダのカラス”“くつに住む一家”“サーカスの小鳥”“こびと夫婦の娘スピル”“ローマの犬”“旅するキャベツ”“きつね…

「バルバラ」

アブドゥラマン=アリ=ワベリ著ジブチ作家ジブチの腐敗政権を経歴の異なる4人物の死から批判ロシア帰りの田舎医師国際派の詩人獄中の世界的マラソン選手女性開放運動家大国もNGOも見捨てた最貧国の静かな叫び水は枯れても血は滴れる氏族主義と植民地の負の…

「嫌なことは後まわし」

パトリック=モディアノ著ノーベル賞フランス作家“嫌なことは後まわし”子供の特権はいつか亡霊や守護霊になる大人になった今あの時の世界はどう見えるだろう?出会った全てが人生ならば忘れた一部は事件だった“人生には奇妙な出会いがあるものだ”その全てが…

「襲撃」

レイナルド=アレナス著キューバ作家本家越えの「1984」会話を禁止され反抗者は死刑”おぎぃ!”と”万歳!”以外の言葉を忘れゆく管理社会密告で成り上がり”愛国者”に表彰される男自らを捨てた瓜二つの母を探し復讐を望むが…?独特な造語・罵声・呪詛は悍ましさ…