MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2021-05-14 to 1 day

「エジプト革命」

ローマ以降2000年も軍人しかも異民族が支配したエジプト 軍部はGDPの30% だが政府と蜜月な軍閥でなくこれが内戦化したシリアと違う “FB革命”アラブの春は元来が社会主義のイスラムに民主化の不向きを遺訓した 軍人独裁ムバラク→民主的同胞団ムルシ→軍人シーシ…

「カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻」

実は第一部に過ぎず未完で折り返しに過ぎない「カラマーゾフの兄弟」 未回収の伏線が多いが著者逝去により第一部のみ遺作となった 第二部はより壮大な革命の話とされまたもロシア革命を予見 兄弟たちのその後やガイドブックとしてのキャラ・テーマを読み解く

「カラマーゾフの兄弟 4」

執事スメルジャコフがイワンに明かす衝撃の告白と真犯人とは…? そして長男ミーチャの裁判を切れ者弁護士が切る 兄弟たちの最後や如何に…! そして父親殺しの犯人と神の下した審判とは…? ロシア革命前の宗教世界とそれに抗う知識人と人民(ナロード)の燻る姿…

「カラマーゾフの兄弟 3」

資金と恋人獲得に奔走する長男ミーチャの脳裏に遺産相続がよぎる… 遂に父フョードルが殺され同日ゾシマ長老も逝去 2人の父を失い戸惑う三男アリョーシャとミーチャへの殺害容疑 貴族から農民まで多角的に語る兄弟たちの闇 “4人目の兄弟”? 金と欲望に塗れた…

「カラマーゾフの兄弟 2」

淫蕩富豪:父フョードル 無垢で粗暴:長男ミーチャ 二重人格インテリ:次男イワン 可愛い系男子:三男アリョーシャ 2巻はアリョーシャとミーチャが主役 父と恋人グルーシェニカを奪い合うミーチャ 少年・兄・兄嫁に神を説くアリョーシャ 執事スメルジャコフの奇…

「カラマーゾフの兄弟 1」

フョードル=ミハイロヴィチ=ドストエフスキー著 ロシア作家 著者最後にしてロシアならず世界文学史上最高傑作と名高い5巻合計2600Pの大作 “カラマーゾフ”は”黒い塗師”の意 漫画で内容もキャラも学習済 1巻は各キャラ登場と状況説明に徹し細かい伏線を敷く …

「雪 下」

オルハン=パムク著 イスラム原理主義・トルコ民族主義者エルドアン大統領の台頭を予見 政教分離派vsイスラム回帰派vsアルメニアvsクルドvs共産派 雪の結晶の様に複雑で純白な思いが互いに交錯し雪が血に染まりクーデターが虚しく散る 民族や宗教など海外の…

「雪 上」

オルハン=パムク著 ノーベル賞トルコ作家 自殺率は男性が女性の4倍という だがこの街は逆だ 雪降るトルコ国境の街カルス ドイツ亡命トルコ詩人が祖国で少女連続自殺事件を取材 30年で明治維新を成した日本 最も早く”西洋の衝撃”を目にしながら300年遅れたト…

「モスクが語るイスラム史」

“礼拝場”マスジッド 英語でモスク やがては時の権力者の権威を象徴する国家建築に シリアのビザンツ式モスク ウマイヤ朝から10世紀も増築され続けた”建築様式の博物館”イスファハーンの王のモスク 生粋のオスマン人ムハンマド=アリーがエジプトに建てたトル…

「ハマりたがる脳」

人は好きな物事に寛容で嫌いな物事に冷淡 “好き嫌いはどう決まるのか?”の科学 子供の頃は嫌いなビールとコーヒーが大人になると好物になる単純摂食効果 誰もが無料で発言可能な批評家のネット民は責任も質も語彙も脆弱 短文・動詞多めの意見は適当 身近な例…

「幸福な王子/石榴の家」

オスカー=ワイルド著 アイルランド作家 三島由紀夫や谷崎潤一郎など日本人気が高い耽美派作家の短編集 アイルランド人にしてオックスフォード主席ながら幼女性愛同性愛で投獄 意外にも童話で知られ特に「幸福な王子」は日本でも絵本でいくつも出版 童話にし…